失業保険の受給期間を妊娠・出産・育児・傷病で延長する方法
失業保険(基本手当)を受給するための条件のひとつに、「失業していること」と定められています。
世間一般の失業とは、会社を辞めた状態を意味しますが、雇用保険においては、「労働の意思および能力を有するにもかかわらず職業に就けないこと」という意味が加わります。
したがって、妊娠・出産・育児・傷病等の理由で求職活動ができない方は、失業保険を受給できないのです。
そうなると、「就業中に毎月の給料から天引きされていた雇用保険料は何だったんだ!!」と不満が噴出しそうですが、そこは損しないように、手続きすることによって受給期間が延長されるのでご安心ください。
妊娠・出産・育児・傷病になったら受給期間が延長される
失業保険の受給期間は、基本的に、離職の日の翌日から起算して1年間です。
この期間を過ぎたら、所定給付日数が残っていても支給されなくなります。
したがって、例えば、妊娠していることが分かって会社を退職し、その後に出産、そして、そのまま育児に専念した場合、受給期間が過ぎて失業保険の支給を全く受けられないという事態になりかねません。
そうならないように、次のいずれかの理由により30日以上職業に就けない場合は、公共職業安定所長にその旨を申し出ることにより、受給期間にその日数分が加算されます。
ただし、元の1年間に加えて延長は最長3年間なので、合計で4年間が限度です。
- 妊娠(産前6週間とは限らない)
- 出産
- 3歳未満の乳幼児の育児
- 疾病または負傷(傷病手当の支給を受ける場合は除く)
- その他、親族の介護、子の看護、ボランティア活動など
妊娠・出産・育児・傷病による受給期間延長の手続き
妊娠・出産・育児・傷病等により30日以上職業に就くことができなくなった時は、その日の翌日から1ヶ月以内に、住所地のハローワークで手続きしてください。
手続きしておかないと、育児等の終了後、失業保険なしの状態で求職活動しなければならなくなり、生活が逼迫されるので、再就職するか否か分からない場合でも、とりあえず受給期間延長の手続きをしておくことをお勧めします。
必要書類は、『受給期間延長申請書、受給資格者証または離職票、認印、各種証明書』です。
添付書類をお忘れなく。
受給期間の延長を認められると、『受給期間延長通知書』が交付され、必要事項を記載した『受給資格者証または離職票』が返付されます。
なお、妊娠・出産・育児・傷病等が終了し、基本手当の支給を受ける場合は、ハローワークに出頭して、『離職票』と『受給期間延長通知書』を提出し、「求職の申込み」をしてください。
関連記事
失業保険(基本手当)を受け取れるのは、受給資格者だけです。したがって、借金の担...
失業保険(基本手当)をもらうには、4週間に1回、「失業の認定日」にハローワーク...
「不況によって会社の経営が厳しくなり、労働者の数を削減しなければならずに解雇さ...
受給資格者等が、「公共職業安定所等の紹介した職業に就くため」または「公共職業訓...
失業保険(基本手当)は、「所定給付日数に達した場合」「受給期間が経過した場合」...