失業保険は残業月45時間以上3連続で会社都合退職になる
失業保険(基本手当)は、雇用保険の被保険者が離職した場合において、失業保険の受給資格を満たしている場合に支給されます。
つまり、失業保険をもらう時には、すでに会社を辞めているのです。
したがって、一見すると失業保険と残業は関係ないように感じるかもしれませんが、次の2つの点について関係しているので、以下に詳しく説明したいと思います。
失業保険は離職前の6ヶ月間に残業が多いと支給額が多くなる
失業保険は、所定給付日数で支給されますが、その1日の支給額のことを「賃金日額」と言い、賃金を基に計算するため、それぞれの人によって額が異なります。
賃金日額の計算式(下限額・上限額があります)
算定対象期間において被保険者期間として計算された最後の6ヶ月間の賃金の総額 / 180 = 賃金日額
算定対象期間と被保険者期間の計算方法は、基本手当をご覧ください。
上記の計算式を見ればお解りいただけると思いますが、会社を辞める前の6ヶ月間に賃金が多ければ多いほど、失業保険の支給額も増えることになるので、残業が大きく影響することになります。
しかし、退職前だけいつもより残業が増えることはほぼないですし、あっても仕事の引き継ぎの残業があるだけなので、どうすることもできないのが現実です。
一応、「失業保険は残業で支給額が変わる」ということだけは覚えておきましょう。
失業保険は過度な残業で離職した場合に給付制限を受けない
世の中には、ブラック企業、ブラックバイト、全人格労働を強いる会社が存在し、そういった会社は、労働者を残業漬けにします。
我慢して働き続ける人もいますが、耐えられなくて辞める人も珍しくありません。
その際、次のいずれかの条件を満たして離職した場合は特定受給資格者となり、通常よりも優遇された条件で失業保険をもらえます。
- 離職前6ヶ月間に、月45時間を超える残業が3ヶ月以上続いた
- 離職前6ヶ月間に、1ヶ月でも月100時間を超える残業があった
- 離職前6ヶ月間のうち、いずれか2ヶ月以上の期間の残業の平均が月80時間を超えていた
特定受給資格者なら、給付制限はなく、失業保険も多くなるので、安心して転職先を探せるでしょう。
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