芸能、スポーツを中心に、注目のニュースを深く掘り下げてお届けします。なお、本ページはプロモーションが含まれています。
インフォダイブ
HOME » 医療保険 » 労災保険 » 遺族補償年金・労災の転給と受給期間はいつまで?

遺族補償年金・労災の転給と受給期間はいつまで?


遺族

労災保険の『遺族補償年金』とは、業務災害・通勤災害によって労働者が亡くなった場合において、その補償として遺族に支給される保険給付です。

転給という独特な制度により、受給権者がいなくなるまで、年金の支給が続きます。

労災保険・遺族補償年金とは?

仕事が原因で労働者が亡くなった場合、労働基準法の災害補償により、事業主が被災労働者の遺族に補償しなければなりませんが、実際、事業主にそれだけの金銭的余裕があるとは限りません。

そこで、ほとんどの会社は労災保険に加入しなければならなくなっており、もしもの時でも被災労働者は労災保険給付を受けられ安心です。

労働基準法の災害補償では、業務災害のみを補償対象にしているのに対し、労災保険では、通勤災害にも範囲を拡大して補償してくれます。

そして、仕事中・通勤中に労働者が亡くなった場合に、その遺族に支給されるのが『遺族補償年金』です。

大黒柱的な存在の家族が亡くなった場合は、特に助かる保険給付でしょう。

業務災害が『遺族補償年金』で、通勤災害が『遺族年金』です。

遺族補償年金の支給額

『遺族補償年金』の支給額は、遺族の数に応じて次のとおりです。

受給権者及び受給権者と生計を同じくしている受給資格者の数を遺族とし、その人数で支給額が異なりますが、「55歳以上60歳未満の夫、父母、祖父母、兄弟姉妹」は60歳になるまでその数に含めません。

受給権者が2人以上いる場合は、その1人が代表で請求手続き・受領を行い、その人が責任をもって分配することになっています。

支給額は、給付基礎日額の何日分という形です。

遺族1人153日分
※55歳以上の妻または一定の障害の状態にある妻の場合175日分
遺族2人201日分
遺族3人223日分
遺族4人以上245日分

給付基礎日額の計算方法
怪我をし、病気に罹ったことが確定した日以前3ヶ月間の
賃金の総額 / 総日数 = 給付基礎日額

ただし、賃金総額と総日数から控除する賃金・期間があります。

遺族特別支給金と遺族特別年金の支給額

『遺族補償年金』と一緒に、労働福祉事業として『遺族特別支給金』と『遺族特別年金』が支給されます。

通勤災害の『遺族年金』でも支給されます。

遺族特別支給金の額(一時金)
300万円

遺族特別年金(年金)

遺族1人算定基礎日額の153日分
※55歳以上の妻または一定の障害の状態にある妻の場合175日分
遺族1人算定基礎日額の201日分
遺族1人算定基礎日額の223日分
遺族4人以上算定基礎日額の245日分

算定基礎年額の計算方法
被災日以前1年間に支払われた特別給与(ボーナス)の総額。入社から1年経っていない時は、それまでに支給された特別給与の総額。

ただし、上記の額が次の1、2を超える場合は、1、2のいずれか低い方の額とする。

  1. 給付基礎日額 × 365 × 20%
  2. 150万円

算定基礎日額の計算方法
算定基礎年額 / 365 = 算定基礎日額 ※1円未満の端数は1円に切り上げ

『遺族特別年金』には前払い一時金の制度がないため、『遺族補償年金前払一時金』の支給を受けた場合でも、『遺族特別年金』は年6回に分けて支給され続けます。

遺族補償年金の支給手続きと添付書類

『遺族補償年金』の支給手続きは、『遺族補償年金支給請求書』を以下の添付書類と一緒に、事業所の地域の所轄労働基準監督署に提出してください。

請求書は、『遺族特別支給金』と『遺族特別年金』の申請書も兼ねています。

提出書類

  • 遺族補償年金支給請求書
  • 労働者が亡くなったことを証明できる書類
  • 被災労働者と受給権者の関係を証明できる書類(戸籍謄本・戸籍抄本など)
  • 被災労働者によって受給権者が生計を維持されてことを証明できる書類
  • その他

遺族補償年金の受給資格と転給

『遺族補償年金』を受給できるのは、労働者の死亡の当時、その収入によって生計を維持していた配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹です。

受給順位は、次のとおりです。

  1. 夫(60歳以上又は一定の障害の状態)
  2. 子(18歳年度末までの間又は一定の障害の状態)
  3. 父母(60歳以上又は一定の障害の状態)
  4. 孫(18歳年度末までの間又は一定の障害の状態)
  5. 祖父母(60歳以上又は一定の障害の状態)
  6. 兄弟姉妹(60歳以上、18歳年度末までの間又は一定の障害の状態)
  7. 夫(55歳以上60歳未満)
  8. 父母(55歳以上60歳未満)
  9. 祖父母(55歳以上60歳未満)
  10. 兄弟姉妹(55歳以上60歳未満)

『遺族補償年金』の受給条件を満たしている遺族を「受給資格者」と言い、その中で一番上位者のことを「受給権者」と言います。

実際に支給されるのは、この受給権者のみです。

しかし、『遺族補償年金』には「転給」という制度があり、受給権者が失権すると下位の遺族に受給権が移るシステムになっています。

この転給により、すべての遺族が条件に該当しなくなるまで『遺族補償年金』の支給が続きます。

遺族補償年金の支給額改定

『遺族補償年金』は、次の場合に支給額が改定されます。

  1. 遺族の数が増減した月の翌月(胎児が生まれたり、受給資格者が亡くなった場合など)
  2. 受給資格者のいない妻が一定の障害の状態になったとき(153日分から175日分に改定)
  3. 一定の障害の状態である55歳未満の妻の障害がなくなったとき(175日分から153日分に改定)

遺族補償年金の失権

次のいずれかに該当した場合、『遺族補償年金』の受給権・受給資格を失権します。

一度失った受給権・受給資格は戻りません。

  1. 亡くなったとき
  2. 婚姻したとき(内縁関係を含む)
  3. 直系血族又は直系姻族以外の者の養子となったとき(事実上の養子縁組関係を含む)
  4. 離縁によって亡くなった労働者との親族関係が終了したとき
  5. 労働者の死亡の当時から一定の障害の状態にない子、孫、兄弟姉妹が、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき
  6. 一定の障害の状態がなくなったとき(ただし、年齢要件に該当している場合は失権しない)

遺族補償年金の支給停止

『遺族補償年金』は、次のいずれかに該当した場合、その支給が停止されます。

  1. 『遺族補償年金』の受給権者の所在が1年以上明らかでない場合
  2. 労働者の死亡の当時、55歳以上60歳未満の夫、父母、祖父母、兄弟姉妹は、60歳に達するまで
  3. 『遺族補償年金前払一時金』の支給を受けたときは、一時金と利子分の額に達するまで
  4. 第三者によって災害を受け、損害賠償を受けたときは、3年を限度にその額に達するまで

遺族補償年金の欠格

『遺族補償年金』は、次のいずれかに該当した場合、受給権者・受給資格者でなくなります。

  1. 労働者を故意に死亡させた者
  2. 先順位または同順位の遺族を故意に死亡させた者

関連記事

労災保険の『障害補償給付』は、仕事中・通勤中の怪我や病気が治った場合において、...


労災保険の『傷病補償年金』は、仕事中・通勤中の怪我や病気が1年6ヶ月経っても治...


労災保険の『休業補償給付』は、仕事中・通勤中の怪我や病気で会社を休んだ場合にお...


労災保険の『葬祭料・葬祭給付』は、仕事中・通勤中の怪我や病気が原因で労働者が亡...


労災保険の『療養補償給付』は、仕事中・通勤中の怪我や病気に対する保険給付です。...



コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください